その5 ドラゴンの国籍はどっち?




                                           
初代「ワールドヒーローズ」より登場しているドラゴンは、
「国内版」と「海外版」で国籍が違っているのをご存知でしょうか?

以外に知られてなかったりしますが、なぜこのような事がドラゴンに起こったのでしょうか?













 


国内版「ワールドヒーローズ」          海外版「ワールドヒーローズ」




「ワールドヒーローズ」(第1作)では国内版と海外版ともに
国籍は「中国」となっていますが…






 


 国内版「ワールドヒーローズ2」         海外版「ワールドヒーローズ2」




「ワールドヒーローズ2」より異変が起こります。

キャラクターセレクト画面の国内版では何の変哲もありませんが








海外版仕様だと、このとおり「韓国」の国旗が表示されています。



「中国」  (国内版)

「韓国」(各種海外版)


国内版以外では、全て「韓国」です。




 





ちなみに、国内版パンフレットと北米版パンフレットではこの様になっています。







そして、みなさん憶えているようにドラゴンの「ワールドヒーローズ2」のステージは
国内版・海外版ともに「韓国」です。





 

  チマチョゴリを着た女性や韓国国旗   バスの車体にはハングル文字が記載
                            (意味はそのまま「バス」との事ですw)



「ワールドヒーローズ2」(国内版)では中国国籍のドラゴンですが
何故か登場ステージは韓国っぽい場所です。




一応これについては補足として「ADKワールド」のドラゴンの紹介文で、「ロケ先の韓国でWH2があって」
と記述されており「オールアバウト対戦格闘ゲーム」[電波新聞社]では確かにステージが「韓国」となっています。













ですが、この事ではロケ先の韓国でWH2があっただけで国内版と海外版で国籍自体を変えた要因は全く謎のままでした。


今回は、この謎を詳しい関係者の方に聞くことが出来たので記載したいと思います。







なぜ急に海外版のみ韓国人になったのか?




1990年代に韓国のゲーム市場が大きく拡大しマーケットとして無視が出来なくなり

SNKはメインタイトル「餓狼伝説2」で韓国マーケットのアピールとして

韓国市場でMVS普及に貢献したビコム社(ファイトフィーバーの開発会社)社長の名前をそのまま頂いた
キム・カッファンをプレイアブルキャラとして投入した事はネオジオファンなら周知の事と思います。








餓狼伝説2 (SNK)   キム・カッファン



これと同様にADKも韓国のゲーム市場を意識する事となり
「ワールドヒーローズ」にも韓国人キャラを投入をという流れになったようなのですが…

既に「ワールドヒーローズ2」の開発は終盤に差し掛かっていた状態だったようで
新規のキャラを追加するという余裕はなかったそうです。

その為、既存キャラクターの国籍を韓国に変更する案が浮上し
人選としてはフウマ(忍者2人の内のどちらか)のキャラクターかドラゴンに絞られ、

海外版ではドラゴンは韓国人、
国内版ではドラゴンは韓国ロケに来ていた中国人設定


となったようです。


ちなみにこの設定により、ドラゴンステージは韓国となってしまいましたが
当初のドラゴンステージは香港が舞台で、遠景にビルと海に船が浮かんでいる感じのステージだったようです。











この事柄から、ドラゴンの国籍変更にはSNKや川崎社長(当時のSNKの社長)の
圧力ではなくADK独自の判断でドラゴンの国籍変更が行われた事が判りました。


一時期「SNKプレイモア」さんのサイト内で行われていた「ネオジオ博士ブログ」では
「おそらく彼をモチーフにした人物の影響もあって変更されたのでしょう。」
とありましたが、実際は韓国市場を意識しただけの結果だったようです。





と、言うことで 日本人プレイヤーはドラゴンを中国人キャラとして扱って問題がないようです。





その後に発売される「ADKワールド」では母親が韓国人という記述があり、ドラゴンはハーフということになります。
また「ワールドヒーローズ」シリーズでは各キャラクター
「国籍」と言う表記なので「出身国」は、もしかしたら違うのかもしれません。