その6 マジシャンロードの種類が複数ある謎?
ADK(アルファ電子)ネオジオ参入第1弾作品「マジシャンロード」の家庭用ロムには、
3つのタイプが存在している事をご存知でしょうか?
ネオジオコレクターの中では、それなりに有名なお話ですが
今回は3つのタイプの違いと何故に複数のタイプが世に存在しているかを説明していきたいと思います。
「マジシャンロード」の家庭用ロム 3種類です。
ここでは、(前期) (中期) (後期) と表現しております。
「マジシャンロード」の家庭用は3種類存在しておりますが、内部的には2種類です。
簡単に分けますと3つは
@ 前期 製造版
A 中期 製造版
B 後期 製造版
と分けられます。
何が異なっているかと申しますと下記をご覧ください。
前期 | ソフトケース仕様 死亡時に特定位置で復帰する プレイヤーのバイタリティ上限は「6」 オープニングのデモあり |
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中期 | 紙箱仕様 死亡時に特定位置で復帰する プレイヤーのバイタリティ上限は「6」 オープニングのデモあり |
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後期 | ソフトケース仕様 死亡時にその場で復帰する プレイヤーのバイタリティ上限は「4」 オープニングのデモシーンが無い |
上記のように内部的には2種類のタイプが存在しています。
特徴は、プレイヤーのライフ(バイタリティ)が異なる事と復活地点の変更で「前期版」「後期版」で根本的に難易度が違うということです。
初心者ではあっという間にやられてしまう「マジシャンロード」ですが「後期版」では
その場で復活するためにゴリ押しすれば誰でもクリアできる難易度に変更されています。
既にお気づきの様にパッケージの形状も異なっていますので違いを見てみましょう
[タイプ1] (前期)
パッケージ表面右下のネオジオマーク部分に 「ネオ・ジオ」の表記が存在します。 |
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パッケージ裏面のSNKの住所表記が、 「大阪府吹田市豊津町18−8号」 ネオジオホットラインの電話番号が 「06−338−8188」 |
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背表紙に 超ド級レンタル・ゲーム「ネオ・ジオ」 の表記が存在します。 |
ネオジオ販売当初に発売されていた家庭用ロムです。
ソフトケース仕様のパッケージで、背表紙に超ド級レンタル・ゲームのキャッチコピーが存在しています。
これは初期に通常販売された物であって、当時の店頭レンタルとして貸し出された物ではないのですが
まったく同じ物がレンタルで貸し出されていたというお話も存在しています。
[タイプ2] (中期)
パッケージがソフトケースではなく紙箱 ネオジオロゴは右上に表記 |
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パッケージ裏面のSNKの住所表記が、 「大阪府吹田市豊津町18−8号」 ネオジオホットラインの電話番号が 「06−338−8188」 |
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背表紙に 超ド級ゲーム「ネオ・ジオ」 の表記が存在します。 |
この紙箱の「マジシャンロード」を「初期版」「最初期版」と言っておられる方々がおりますが、これは間違いです。
1991年7月にネオジオ商品の価格改定がありました。
この際に、企業側にとってのコストダウンが行われソフトの利潤も上げたいという要望がメーカーからあったようです。
ロム自体は大量生産で売り切るという事がない限りコストダウンが出来なかった為にケースを紙製にしてコストを落とす形となったそうです。
このために生まれたのが「紙箱」仕様のネオジオロムとなります。
ですので紙箱のロムは廉価版ともいえる扱いとなり、上記の「マジシャンロード」も同様状態で再販売された物となります。
超ド級ゲーム「ネオ・ジオ」と言うキャッチコピーも超ド級レンタル・ゲーム「ネオ・ジオ」の後に発表されたコピーなので
やはり、「マジシャンロード」の紙箱は(中期)となります。
[タイプ3] (後期)
パッケージ表面右下のネオジオマーク部分に 「ネオ・ジオ」の表記がありません。 |
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パッケージ裏面のSNKの住所表記が、 「大阪府吹田市豊津町18−12号」 ネオジオホットラインの電話番号が 「06−339−0110」 |
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背表紙にキャッチコピー表記が無い。 |
後期に発売されていた家庭用ロムです。
ソフトケース仕様のパッケージで、背表紙には何故かネオジオ特有のキャッチコピーが存在していません。
紙箱パッケージはコストダウンには成功したようですが、ネオジオの付加価値感が薄れたようで
紙箱ではゴージャス感が無いという理由で再度ソフトケースにてロムソフトが供給されました。
「マジシャンロード」は初期のネオジオ牽引役でもあったので何度も追加で生産が掛けられたようなのですが
管理人の体感的に、この後期ロムの方が前期ロムより個体数が少ないと感じています。
ちなみに初期のネオジオのカタログでは「ゲーマント」が持ち歩くほどプッシュしていました。
説明書も若干異なっていますので違いを見てみましょう
前期・中期 | 後期 |
各種移植状況 一覧
Wiiバーチャルコンソール | 後期版 |
SNK ARCADE CLASSICS Vol.1 (PSP) | 前期版 |
NEOGEO X | 後期版 |
NEOGEO Station (PS3・PSP) | 前期版 |
アケアカNEOGEO | 後期版 |
NEOGEO mini international | 前期版 |
ややこしい事に、なぜか機種によってバラバラで統一されていません。
なぜバージョン違いが存在しているのか?
パッケージ・説明書の変更はともかく、そもそも何故に内部的に2つのバージョンが存在しているのでしょうか?
詳しい事情を開発者の方に聞いてみたところ
特定位置復帰、その場復帰は先に簡単に行かせてはいけない北米コンシューマーの事情と
少しでも先に進めないとコンティニューが入りにくいというアーケード事情が絡み合い
更に後に販売される ネオジオCD版発売期に本当はどっちが望ましいのかと言うことが
問題となり、かなりカオスな状況となっていたそうです。
ちなみに、ネオジオCD版「マジシャンロード」のライフ上限は「5」で「その場復活」「オープニングデモあり」ですが
バックインレイ(裏ジャケット)の画面写真では「後期版」仕様という
更に別仕様の状況です。(おそらく、これがカオスな状況の産物なのでしょうか…)
また、開発者の方のお話では「マジシャンロード」は、ちまちまと商品として売れている実績は聞いていたそうですが
「後期版」ロット(ソフトケース仕様のロムの再販版)については再販がかけられたかどうかという情報は知らされていなかったようです。
おまけ
家庭用ロムソフトの製造はおよそ発売の3ヶ月前に発注だったそうで、そのため 「マジシャンロード」のパッケージ裏面には
制限時間表字のある開発時の写真が載っています、主人公のライフ(バイタリティ)上限は…
「8」です。