ここでは家庭用ゲーム機でのADK開発オリジナル作品をリストアップしています。
以前「ADKは、家庭用ゲーム機でオリジナルゲームなんか作ってない!」的な
事を言われてしまったので、簡単に説明をさせて頂きます。
1994年、ソニーより年末に次世代ゲーム機「プレイステーション」の発売が発表されました。
ADKは当初より「プレイステーション」がヒットし、次世代のゲーム機での覇権を握る事を確信していました。
これは大きなチャンスと考えられる事と、今後3D技術を研究しなければ未来がない事も見えていました。
しかし、「プレイステーション」参入には1つの大きな障害がありました。
ADKは当時SNKとの契約上、SNK以外のハードの多機種でのソフト開発(ネオジオ作品の移植を除く)を制約されておりました。
ですので「プレイステーション」でのソフトの供給は不可能となります。
ですが、この状況を打破すべくADKは一つの打開策を模索します。
それは、SNKには内緒でPSのゲームを開発し
別のブランドを立ち上げて販売する
それが、ADKのもう一つのブランド「未来ソフト」となります。
当然、社員も場所もADKが関与していました。
第1作目「トレジャーギア」は、当初ADKがデザイナー室として使っていた、レーベンビル6Fに衝立を作り隠れてコッソリ作っていたそうです。
(衝立はSNKの川崎社長の急な視察を防ぐためとも言われております。)
あるサイトで「ADK」と「未来ソフト」が共同開発と書いてあるページがありますが、実際は同じ会社でした。
では、ADKの残した家庭用ソフト紹介です。
トレジャーギア | 1997年 7月31日発売 | 定価 5,800円(税抜) |
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記念すべき「未来ソフト」開発第1弾ソフトです 主人公の恋人の呪いを解く為に過酷な試練の待つレーレのダンジョンに向かう 、冒険者(男女選択が可能)を操りランダムに変化するダンジョンを制覇していきます。 レバーを動かしているときは「アクションRPG」、レバーを離すと「コマンドRPG」 に早変わりする「リアルターンシステム」という不思議なシステムを使ったゲーム 俗に言う「不思議のダンジョン」等が好きなプレイヤーは楽しめる作品です。 内容も良く作りこまれたゲームで、早解きプレゼントキャンペーン等も 行われていた意欲的な作品でしたが、結果的には赤字を出してしまったそうです。 |
すたあ☆もんじゃ | 1998年 6月18日発売 | 定価 5,800円(税抜) |
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「未来ソフト」開発第2弾ソフトです。 内容は、育成シュミレーションゲーム「育てて」「ばとる」「交換」といろいろ育成して 「もんじゃ」と言うモンスター?を進化させる「もんじゃトレーナー」になってゲームを 進行させます。実は噛めば噛むほどの面白いゲームなのですが… 実は、このゲーム「すたあ☆もんじゃ」全部で2000枚しか生産していません。 理由は発売が遅れに遅れて、SONY側から「これ以上遅れたら枚数を減らす」 宣告をされ、結果2000枚しか生産されなかったとの事です。 (厳密に言うと、ADK社内に5枚あったので、実質市場にあるのは1995枚 だけです、 これは少ない) |
爆流 | 2000年 9月14日発売 | 定価 5,800円(税抜) |
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「未来ソフト」開発第3弾ソフトです。 フジテレビの関連会社である、フジミックとの協力開発で製作されたカヤックを テーマとしたボートレースのゲームソフトです。 5人のキャラクター(隠しキャラもあり)と5種のカヤックが用意されており、 トーナメントモード、タイムアタックモード、 VSモードの3つのモードで遊ぶことが 出来ます。 |
未発売タイトル
商人根性 | 未発売 |
未発売 |
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「未来ソフト」は、実はPC(Windows)用ゲームソフトも開発をしておりました。 残念ながら、ほぼ完成しておりながらリリースまで漕ぎ付けなかった作品です。 主人公がギルドマスターとなってギルドを経営して行き数々のイベントを多くの 冒険者を雇いクリアしていくオートプレイゲーム(今で言う放置系ゲーム)でした。 モンスターの討伐やアイテムのお使いや野良仕事など多種にわたるミッションが 用意されていました。 PCゲーム分野では新井社長の培ったアーケードゲーム関係の交友では流通が 確保出来なかった事や他社への売込みが出来なかった事が未発売の要因のよう です。 |
この後「未来ソフト」は…どうなったのか?
「すたあ☆もんじゃ」チームは、後に「人生ゲーム」のようなPSソフトを試作的に作っていたところ
ADK側から急にレーベンビルに戻れと言う指示がありチームは解散したそうです。
その後、ADK側、未来ソフト側とも大量の人員整理が起こり
残留したメンバーはADK側で「ネオジオポケット」のソフト開発をするようになったそうです。
また、「爆流」のチームは、「空舞」と言うタイトルのスカイダイビングから空中でスノボを行うというゲームの企画を
出しておりましたが頓挫した形となったようです。
今までの元関係者さんの方々の証言では、この段階で「未来ソフト」は自然消滅したのではないかというお話がありますが
ADK倒産後に事業を引き継いだ、「フォンキャスト」が「未来ソフト」と共に活動をしていたというお話もあります。
−以前の当サイトの情報内容による、お詫び[重要]−
以前当サイトでは、未来ソフトの一件(多機種でのゲーム開発の制約を破った事)によって
「SNKとADKの関係が著しく崩れた」との証言を掲載しておりましたが、この件について事実とは異なるというお話が出てきました。
その後、ADKはSNKの「ネオジオポケット」に対して社員を常駐して本体開発協力をし、「ビーストバスターズ セカンドナイトメア」の開発下請けをしています。
実際、SNK側との関係がそこまで悪くなっていたら、それらの業務の提携はまずありえないと考えられます。
この一件については当時のSNK川崎社長が最後まで知らなかったという事は完全に否定はできませんが、
契約上決まっていた事だが、当時のSNK川崎社長とADKの新井社長の2人の間では秘密裏に合意済みの案件だったという事が考えられます。
当サイトでは複数の元関係者から過去の証言を頂いて記事を書いておりますが、当時のADKの低迷した状況が
そのような事を危惧し、未確定な情報が出てきたものを自分が早合点し鵜呑みにしてしまい掲載した事が一番の問題点だったと感じております。
意図的に虚偽の情報を流布するつもりではなかったとはいえ、確定的な情報ではなかった内容を一時期アップしてしまい誠に申し訳ありませんでした。
この記事にて訂正・お詫び致します。